バシ!バシ!バシ!
三体のカカシ人形がウチを殴る。
バシ!バシ!バシ!バシ!
前回と違って今回は逃げずに、カカシことカーディアンに対して
背を向けて、棍棒の攻撃を受け止める土曜日の朝8時。
ウチは今回も所属国にしてる連邦の外にある平原の東、
西南の方角にその入り口がある地下迷宮に足を踏み入れてる。
【外ホルトト遺跡】。
殴られ、でゅーんと減った【サブリガ】【青魔導士】の生命力を、
高級装備ヴァーミリヲクロークに身に纏ったお大尽、
しくろ様が
魔法で回復してくれる。
朝の8時から、この爺鯖ケモノ界の至宝を拉致れて良かった。
しくろ様に謝意を伝えつつも、殴られる【サブリガ】【男】を見てる
ウチの脳裏に軽快な音楽が刻まれてゆく。
ドンツクつくつくつく、バシッ!ドンツクつくつくつく、バシッ!
毎週土曜の夜8時から始まる某テレビ局のバラエティー番組で
偶に放映される
「スタnプ」。
ハリセン代わりに両手に持った棍棒を振り下ろすカカシは、程なく
TP(タクティカルポイント)と呼ばれる必殺技を放てる分だけの
力を貯めて、背中を晒した【青魔導士】に向かって力を解放する。
バシーン、バシーン、バシーン。
棍棒を大きく振るっての3回攻撃をする【メッタ打ち】は、ウチには
めちゃイkメンバーがクライマックス直前リズミカルに打ち鳴らす
ハリセン連打の音に等しい。
んピ!ピ!ピ!ピッ!ピ!ピ!ピィー!
「たーたき叩き、叩き潰すぞ!」
某番組でも良いポジションを確保していた、身軽な肥満体型芸人
(元)の決め台詞を、モニターの向こうで吼えるウチ。
巨大なハリセンが、カカシに向かって振りぬかれる代わりに。
刹那、しくろ様が放つ神聖魔法の【ホーリー】閃光が屹立する。
ウチがトドメの必殺技を放つ暇もない。
「鼻の軟骨がパキッて鳴った!」
そう、大声で連呼する暇もなく無言で崩れてゆくカカシ×3。
そもそも暴走して好戦的になったカカシは、言葉を喋らない。
しくろ様サマでウチ自身がカラダ張ってキバる事は無かったが、
「$#@!をラーニング」というログが表示されるとヤッパリ嬉しい。
チッチャな巨人しくろ様の活躍のお陰で、かのキリンも撃破。
【メッタ打ち】と【いやしの風】。
【青魔法】の序盤で必携とされる二つの呪文をラーニングして、
セルビナ時代の秒読みも間近。
ボディー・ランゲージ・ターイム!!!!(身体を張って頑張ろう)