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FF11±ゼロ。

zerohour.exblog.jp

山路。

山路を登りながら、こう考えた。

智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。
意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。

かつて、この地を流れていた複雑な流域の河川によって、
深く侵食されて形成された峡谷を登っていると、たまに
「草枕」の冒頭が思い浮かぶ時がある。
【タロンギ大峡谷】。

故郷【バストゥーク】の埃っぽい土とはまた質感の違った、
この曲がりくねった、この坂道。
ほぼ一本道、迷う心配がない。途中凶悪な敵がいない。
それでいて、何も考えず無心で通り抜けるには中途半端な
道のりの長さ。
適度な傾斜を走ってる間に、「草枕」の名調子を思い出す
条件を完璧に満たす、ヴァナ・ディール界のキングオブ山路。
チャンピョン。

そんな愚考もつい浮かぶ峡谷で、景観を著しく損なっている
天下御免の【サブリガ】【男】が狙う今回の獲物はキリン。

【青魔法】のうちで五指には入る重要な技【いやしの風】。
ソレをキリンから教えてもらうのが、本日の最優先課題。
キリンを血祭りにあげるべくモニターに反射するのは残忍な
笑みを浮かべた坊主頭。

腰の曲刀を手に取り、手早く目前のキリンの強さを調べる。
【強そうな相手です。】
笑顔が凍りつく。このまま戦っても、ぷりけt確実=犬死に。
むぅぅ。剣を収めて戦闘中止。

じゃ、こっちのキリンは?じゃあ、あっちのキリンはどうや?
【強そうな相手です。】一択。
ぷりけtが怖くて手が出せなくて、それでも【いやしの風】を
今日ナントカ覚えたくてたくて。
悔しくて、離れがたくて、仕掛けも出来ないキリンの周りを
死肉を上空で狙うハゲタカよろしく纏わりついていると、
話掛けられた。
「一緒にやります?キリン」

視線をキリンから外して振り返ると、背後にリザード系の
装備で全身を固めた冒険者が一人。
コォオォォォ~。
コォオォォォ~。
シュシュシュシュとキリンに向かって緑色の種が飛んでゆく。
山路。_c0061753_12432923.jpg

結成、青魔戦隊タネマクnジャー(パkリ。

ゼロ「キリン、ウチより強いので足手まといになりかと。。。」
「いいからいいから。堅苦しい事言わないw」
パーティを組む時に交わした会話といい、キリンの攻撃が
ウチに集中しないように気を使ってくれているのが判る。

その気遣いに、じんわり心が満たされてゆく土曜日の深夜。

自分よりも高レベルの冒険者に助けてもらう様な行為は、
自分で頼むのも、誰かに頼まれるのも、嫌いだった。

目的達成の手段として自力で計画・人集めする頑張ってる
人を除いて、そんんなで冒険者生活楽しいん?【本当に?】
と思っていた。
シャチョサン!シャチョサン!アナタ冒険者ヂャナイヨ!1!
そう思っていた。

少し堅苦しく考えて過ぎていたのかもしれない。

自分で決めたルールを金科玉条に独りで意地を通して、
勝手にヴァナ・ディールを窮屈にしてたのはウチなのだ。
住みにくい人の世にしたのは、ウチの勝手な考えなのだ。

この、ちょっとレベルの高い相方の【青魔導士】様の様に、
軽やか振舞えたのなら、ヴァナ・ディールが、リアルが今より
もう少しだけ住みやすい、かもしれない。

手に入った経験値は僅かだし、【いやしの風】も残念ながら
ラーニング出来なかったけど。
スッキリ!した気分で、山路を後にした。
【青魔導士】13>>13。
by zerohour_co | 2006-07-17 12:43 | FF>>青魔道士
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