所属国ウィンダスの森の区を出て東サルタバルタを北上すると、
かつて流れていた河川の複雑な流域によって深く侵食された
大渓谷に辿り着く。【タロンギ大峡谷】。
東サルタのケンカ番長NM芋虫ほどではないけれど、一つエリアが
変わると敵の強さが一段高まる。
丁度よい強さのマンドラたんやらウサギやらを相手にするのにも、
体力を結構削られる。
なので、一戦ごとに休み休み慎重に経験値を重ねていく。
全快するまで座りながら、暇つぶしに辺りをボーっと眺めたりする。
ドッドッドッドッ。チョコボに騎乗して足早に駆け抜けてく冒険者。
同じような装備に身を包み、近くのウサギに仕掛ける冒険者。
座ってるウチにテテテと足音を立てながら近寄ってくるマンドラたん。
故郷バストゥークとはまた質感の違う、荒涼とした大地に舞う砂埃。
渓谷の間から昇る朝日、沈む夕日。
元バス国民という事もあって、ウィンダス周辺は移動する為だけに
走り抜ける事が多かったウチにとって、この一見何でもない風景が
結構新鮮だったりする。
ユッタリまったりユルユルと、そんな事をしながら獲物と戯れてると
金文字が浮かび上がった。
【忍者】11>>12。
早速、懐から巻物を取り出す。
この忍術を使用する為の触媒「紙兵」は、懐の中に準備済み。
ぶぅぉぉぉん。ぶぅぉぉおん。
独特の効果音と共に梵字のエフェクトが身体の周囲に浮かび上がる
【サブリガ】姿の【忍者】が約一人。
首長族ではないので、オモチャ様ご執心の< >にはならないけれど、
忍術「空蝉の術:壱」を習得した半人前忍者、ここに誕生。
この日のために合成生活を乗り越えてきた甲斐があったってモンだ。
ここから【忍者】レレルマゲ本番。