「とるよー」
「はいよ。よろしく~」
暗がりの通路で、息のあった二人の声がする。
かつて脳筋種族の都があった場所であり、巨大な柱石や
見事な彫像が往時を忍ばせる廃墟。
【流砂洞】。
現在は、脳筋種族を追放した「蟻」こと獣人アンティカの
巣穴と繋げられ、皮肉にも住処の一部として利用されてる。
そんな蟻の巣窟に、砂漠の東側にある侵入口から突入する
忍忍狩詩白と【青魔導士】のウチ。
今回の獲物は、流砂洞における現在の住人、蟻。
スラングで、サブ盾という存在がいる。
PTの戦闘において、最も長時間敵のターゲットを引き受ける
「メイン盾」に次ぎ、必要に応じて一時的にタゲを引き受ける
役割のプレイヤーの事である。
駆け出しの頃こそ、盾役ができる者が、それこそ前衛全員という
場合もあるが、レベルが上がり経験と能力が高まることで、
レベル上げでは盾役は1名というケースが増えてくる。
【ナイト】様の優れた防御性能、【忍者】様の攻撃回避能力。
このレベルが上がると生来の盾役として本領を発揮する、如何に
優れた特性を持った上記2職種といえど事故は常に起こりうる。
そこで、緊急時や必要に応じてメイン盾を補助するのがサブ盾
の役割。
この役目は【戦士】【侍】【モンク】というヴァナ・ディール界の
2大盾(ナ・忍)に次ぐ防御能力や生命力を持つを持つ職種。
または【ジャンプ】というヘイトコントロール能力をもった職種
【竜騎士】がこの任に当たるケースが多かった。
以前まで、は。
現在の主流は、どうも違うらしい。
最近はパーティでの花形、メイン盾をピンで張れる、ナイト・忍者
という二大盾役が一つのPTに一人以上いる事が多い、気がする。
【ガルカ】忍者様「とるよー」
【タルタル】忍者様「はいよ。よろしく~」
今回ご一緒したPTでもお互いに同じリンクシェルの仲間同士と
いう事もあったかもしれないけど。
忍者盾の要【空蝉の術】が敵の攻撃などで途切れそうな際は、
絶妙なタイミングで攻守の切り替えをする忍サマが二人。
お陰様で、通常の攻撃に関してはノーダメで戦闘が楽々進行。
波乱がなくて有難いんだけど、その分盾役の供給がひっ迫して
ウチが自らPTを集める「オートリーダー」として活動する際には
大変悩ましいワケでして。
どうなのでしょう?
ヴァナ・ディール界指折りの【獣使い】から華麗なる転進をした
モテモテさんな某ナ様にヴァナ・ディール最新盾事情を一度
講義を受けてみたい心持ち。
そんな一抹の疑問を抱きつつ、某量産型のレレルマゲは続く。
【青魔導士】43>>44。
有楽町で一度テレビカメラを向けられた事あるけど、回答が番組
趣旨とは違ったらしく番組では放送され仕舞い。
そんな、ホロ苦い経験のある、筑紫哲yがメインを張るニュースの
名物コーナー「異論反論~」で一度訊いてみてくれないかな。