ジュノ港から続く、雪の残る海底洞窟を仲間達と共抜けると、
積雪に覆われた大地に辿り着く。
【クフィム島】。
シ戦白黒召と【忍者】のウチ。
本日実施されたバージョンアップで新しく実装されたクエスト
(NPCからの仕事依頼)の参加者を募る、他の冒険者様の
様々な絶叫をひとごとの様に聞き流しながら、最近拠点にしてる
ジュノ港で暫らく佇んでいたらお声が掛かった。
ジュノに着いたばかりの冒険者の多くが一度は経験する定番の、
この狩り場でコレマタ定番のミミズとカニを相手に狩りを始める。
シーフ様が釣って、忍者のウチが迎え【挑発】を入れて戦闘開始。
戦闘中に一度唱え直したウチの【空蝉の術】の分身が切れる頃に、
戦士様が交代で獲物に【挑発】を入れて、タゲを固定する。。。
そんな流れるような洗練された戦闘様式を思い描いていた。
しかし、戦闘を始めてみると、何かギクシャクしてる。
獲物のタゲがフラついて後衛様に獲物が向かって入っちゃったり。
何度も忍術の詠唱を敵の攻撃を受けて止められちゃったり。
戦闘に掛かる時間が異様に長くて後衛様のMPがカラになったり。
ウチの忍者としての技量が低いので戦闘がグズグズになってる、
というのもモチロンあるんだろうけど何かオカシイ。
シフ様が次のエモノを探しに出てる間にログを見返してみると、
ある事に気が付いた。
ゼロ「戦士様、まだ空蝉1しか使えないので挑発回しでよろしくね」
戦士様「挑発回しってなんですか?」
ゼロ「ごめん。解りにくかったね。ウチが最初に挑発するから、
15秒間隔で挑発をお願いできるかな?」
戦士様「はい、分かりました。マクロ組みますね^^」
!?
ゼロ「ぇーと。戦士様、いままで盾役やった事ってあるかな?」
戦士様「いえ、ありません。今日が初めてです」
ゼロ「じゃ、連携は?」
戦士様「たまに参加してました。だけど繋がりはよく分かりません」
はた、と気付いて調べてみると、その戦士様は冒険者ランク2。
戦士なのに盾役経験ナシ。【溶解】の連携順序を知らず。
冒険者ランクはランク2。それってツマリ、アレだよね?
。。。全ての謎は解けた。
結論、ヴァナ・ディールにド新人冒険者現る!
指摘すると萎縮するやも知れないので普通に狩りを続けながら、
ササヤカながら、しかし唐突に開催決定。
前衛冒険者向けパーティ戦闘実習講座。
挑発のタイミング、TPの報告の仕方、幾つかの連携の繋がり方。
場を盛り上げるは好きだけど、強権的にシキるのは好きではない。
仕切り屋さんから見たらモドカシイくらいのモノ言いで講義をする事、
数十分。
ウチも忍者経験のある冒険者様から空蝉張替えをご教授いただき
ながらの数十分。
なんとなくヘッピリ腰感のあった戦士様が少しずつ盾役として
機能し始める。
繋がり出す連携、決まり出すMB。
猫耳種族【ミスラ】の戦士様と種族の違いこそあるものの。
約4年前にアタフタしてた駄戦士のウチの姿を客観的に見た思い。
バージョンアップで新しく実装された召喚獣を見たくて見たくて、
ずっと出しっぱなしだった外国人【召喚士】様は、まぁこの際イイや。
敵の攻撃で消えていく空蝉の分身の枚数を必死に目で追いながら、
ウットリするような戦闘様式に向かってカタチになってくパーティの
動きをみて、そんな事を考えているとレベルが上がった。
【忍者】19>>21。
ウチにも。
「忍者20台におけるタゲ回し講座」開催のお報せお待ちしてます。